『経済日報』『工商時報』等の台湾メディアが30日付で報じた。DIGITIMESの黄氏は、今回の地震では、JASMのある菊陽町で震度5強を観測したとし、半導体製造装置は振動に対して極めて敏感であり、建物の構造的な安全性が確保されていても、強い揺れにより装置の保護機能が作動し、自動停止する仕組みになっていると指摘。これにより、地震で製造中のウェハーが廃棄になるだけでなく、工程パラメータが規格から外れる恐れもあるため、生産ラインを再開するには、建物や設備の安全確認を行った上で、各工程のパラメータを改めて確認する必要があるとした。
JASM第1工場(P1)について同氏は、計画では生産能力が12インチウェハーで単月5万5000枚、28・22nm(ナノメートル)、16nm、12nmプロセスに対応、応用はソニーのCMOSイメージセンサー(CIS)、ロジックIC、車載半導体、産業機器用だと紹介。ただ、自動車及びスマートフォン需要の低迷を背景に、実際の生産は現状、単月約2万枚と、生産能力の立ち上げ段階にあるとした。
その上で黄氏は、月産2万枚、ウェハー1枚当たりの平均販売価格を3000米ドルと仮定した場合、JASMの1日当たりの売上高リクス(エクスポージャー=特定リスクへの曝露度)は約200万米ドルになるとし、仮に1週間操業を停止し、その間の生産量を完全に取り戻せなかった場合、売上高への影響は約1400万米ドルになると分析。TSMCが提示している2026年第3四半期の売上高見通しの平均値452億米ドルと比較すると、今回の地震が四半期ベース売上高に与える影響は0.03%程度にとどまる見通しだとした。
一方で黄氏は、帳簿上の売上高への影響よりも、今後の装置復旧と検証プロセスの方が注視すべき課題だと強調。地震後の設備再稼働は一度で完了するものではなく、「安全性及びユーティリティシステムの確認、装置本体の点検、キャリブレーション、プロセスベースラインの再構築」という厳格な手順を一つ一つ踏む必要があり、さらにテスト用ウェハーを投入して欠陥や膜厚などのデータ検証を行わなければならないと指摘。装置の大半を数時間で再起動できたとしても、歩留まりを確保するため、初期段階ではリスクの低い製品から製造を再開し、継続的に監視を行うのが通常であることから、本格的な量産再開には数日から数週間、場合によっては数カ月を要する可能性もあるとした。
また、同工場で製造されるソニーのCIS、ロジックIC、車載半導体は、特定のプロセス、厳格な品質検証、及び顧客認証を伴うため、短期間で他工場へ生産を移管するのは困難だと指摘。今後は、主要設備の再認証の進捗状況に加え、顧客への納期や出荷への影響を注視する必要があるとした。
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